現役職人が解説する空調屋の必須道具〜その他

前回まで空調配管工の仕事をするのに必要な工具類について紹介してきました。

今回は上記のもの以外を紹介していきたいと思います。

目次

安全靴

安全靴というと定番のデザインの『黒い革製』『ゴツい』『重たい』ものを想像したりしますが、現在の建築業界では『安全スニーカー』を使うのが一般的になっています。

もちろん昔ながらの黒い、重たい安全靴も使われていますが、軽いフットワークが求められる建築現場では、運動靴のような機動性を持ちながらも、つま先の収まる部分には鋼鉄芯や強化プラスティック製の先芯の入った安全スニーカーが使われるのが多いです。


定番のメーカー

アシックス

最初から足に馴染む履き心地の良さ。クッション製もいい。私も愛用しています。

ディアドラ

個性的なデザインと耐久性の良さが魅力。過去に販売されていた『ピジョン』が好きでした。

ミズノ

安全靴業界に参入してまだ数年だが、アシックス同様足馴染みが良く、デザインも限定カラーなどあり勢いがある。

 

作業服

空調屋が仕事をする時には基本的に作業服を着ます。

最近は夏場が特に熱中症のリスクが高くなってきており、ペラペラのアームカバー、レッグカバーにTシャツ、ハーフパンツといった超軽装で仕事をされている方も見かけます。

しかし、空調屋に限らず建築作業員の現場は日常生活とはかけ離れた危険な空間で、少しでも怪我のリスクを減らす必要があります。

そのためにも丈夫な作業服を身につけ、そのインナーとして冷感コンプレッションを着用したり、上から空調服を着たりして対応していくべきだと思います。

一昔前は野暮ったいいかにも作業服、というものが一般的でしたが、最近はタイトでストレッチが入ったものがあったり、スマートに着こなせるものが増えています。

 

定番のメーカー

バートル

お手頃なのにおしゃれで、今最も勢いのあるメーカー。私も愛用しています。

イーブンリバー

綿素材の作業服が多く、シルエットにもこだわりあり。冬場はベストでお世話になる。

自重堂

高品質なプロ向けのJawin、カジュアルで手頃な価格帯のZ-DRAGONという主力ブランドがあり、売り上げ規模は業界トップ。

 

ヘルメット

ヘルメットは建築現場では必須です。

厚生労働省の定める法令によれば、『保護帽』と呼ばれたりもします。

建築現場で身につけるヘルメットはバイクや自転車用、ストリートスポーツ用などとは異なり、厚生労働省の『保護棒の規格』に適合し、型式検定に合格しているものでなければ使用することができません。

見分けるポイントは、保護帽(ヘルメット)の内側に『労・検ラベル』が貼り付けてあるかどうかです。

ラベルには製造年月日や使用区分が記入されています。

使用期限は大体3年程度ですが、一度でも大きな衝撃を受けた場合は、交換しなければなりません。

定番のメーカー

DIC(ディーアイシー)

基本性能が高く(価格も高めだが)スタイリッシュなデザインが多いメーカー。私も愛用しています。

災害時用の『IZAMO』というヘルメットは折り畳めてコンパクトになるため、出張先での現場打ち合わせなどで重宝されている。

ミドリ安全

その名の通り安全衛生用品で業界トップのシェアを誇るメーカー。安心の品質で安全靴も有名。

トーヨーセーフティ

ホームセンターでもよく見かけるメーカー。手頃な価格でしっかりしたものを提供している印象。ヘッドライトをヘルメットに固定する部材も販売している。

安全帯

安全帯は2019年に法改正があり、その規格にのっとって製造されているものは『墜落制止用器具』というのが正式名称になります。

2021年現在はまだ旧規格の『安全帯』が使用できます。

新規格に適合した製品の使用が完全義務化になるのは2022年1月2日からです。

旧企画も新規格も現場においては今もなお『安全帯』と呼ばれており、この先もこの通称で呼ばれていくのではないかと思います。

そんな安全帯には『胴ベルト型』と『フルハーネス型』があります。

フルハーネス型だから新規格対応、というわけではなく、旧規格に沿ったフルハーネス型もあり、現在は製造されていないはずですが、在庫品でまだ出回っているかもしれないので購入の際は一応確認した方がいいと思います。

胴ベルト型は主にベルトとランヤード(命綱の部分)、フルハーネス型はハーネスとランヤード(鳶さんなどは2丁掛けだたりする)という構成になります。

基本的にフックの部分を足場の単管などにかけて使います。(腰高よりも高い位置が好ましい)

また、ランヤードはいろいろありますが、取り回しの良さを考えると、自動巻き取りのリール式がいいと思います。

定番のメーカー

藤井電工(ツヨロン)

ランヤードのフックに『TSUYORON』の文字が特徴。業界トップシェアを誇る。しっかりした基本性能があり、使いやすく私も愛用しています。

サンコー株式会社(TITAN)

ランヤードのフックに『TITAN』の文字。藤井電工の次によく見かけるメーカー。

TJMデザイン(タジマ)

ハンドツールで有名なメーカーだが、胴ベルトやランヤードでも高品質なものを販売している。

脚立

ゼネコンやサブコンの現場では脚立ではなく基本的に立ち馬を使うことが多いのですが、その場合は仮設材として支給されることが多いです。

しかし、テナント工事や単発の入れ替え工事などではまだまだ脚立が一般的に使われています。(1800mm、6尺までと制限がある場合もある)

その場合は脚立は業者の方で用意するのが一般的ですので、脚立は空調屋の必須道具に含まれると考えています。

最近の脚立は全体的に品質も良くなっており、足を載せるステップの部分も幅の広いものが多いので、有名メーカのものを選べば間違い無いと思います。

脚立の高さを建築業界では一般的に『尺』で呼びます。

ルームエアコン用に4尺(1200mm)、業務用の天井埋込型や隠蔽型用に6〜7尺(1800〜2100)、4m程の天井高の現場で作業する際は9〜10尺(2700〜3000)の脚立を使用することが多いのです。

おすすめは4尺で足を伸ばすと5尺になるタイプと、6尺で足を伸ばすと7尺になるタイプの2本ですね。

足が伸びるタイプは高さの違う場所でもある程度足の長さを調整して水平に設置することができるという点が一番の利点だと思います。

定番のメーカー

長谷川工業株式会社

建デポでの取扱が多く、脚が伸縮する脚立を多く展開している。

6〜7尺が一番使いやすい高さで、ハシゴにもなるためおすすめ。

アルインコ

仮設足場のリース・施工も主要事業としている企業で、品質、知名度共に高い。

株式会社ピカコーポレイション

ホームセンターでも良く見かける、定番のメーカー。

 

まとめ

空調屋の必須道具、その他について紹介してきました。

それぞれ、たくさんのメーカーが製品を販売しており、選択肢が幅広いですが、今回紹介したメーカーのものを選んでおけば間違いないと思います。

安全靴や作業服は好みがあるので色々探してみても面白いです。

以上、参考になれば幸いです。

KSK
しがない空調配管工
地方在住の会社員空調配管工です。
まだまだ未熟者ですが、皆さんのお役に立つ情報をお届けできれば嬉しいです。
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