現役職人が解説する空調屋の必須道具〜手工具編

手工具

『空調屋を初めてみようかな』

『空調屋になったけど、まだ何の道具が必要でどう使えばいいか分からない』

『道具の名前もわからない』

 

という皆さんに向けて、空調屋の仕事で使用する道具を解説していきたいと思います。

今回は手工具です。

最初に手にするのにおすすめなものまで紹介していきますので、参考にしていただけると幸いです。

 

目次

コンベックス(スケール)

まず1つ目の手工具はコンベックス(スケールとも呼ぶ)、世間一般で言うメジャーです。

建設業の職人が持ち歩いているのは主に5〜5.5mのスチールテープのコンベックスです。

これがないと図面通りの寸法の位置に空調機を設置したり、綺麗に配管することができません。

寸法をとって作業することは建設業の基本ですので、信頼できる品質のものを使いたいですね。

ちなみに建設業では基本的に数値をミリメートル(mm)単位の数値で呼びます。

建設業界ではミリメートルで話すのが前提、という暗黙の了解もあるので、例えば世間一般でいう ”50cm” のことは、ミリメートルも省いて単にに ”500” と呼ぶことが多いです。

 

コンベックスを選ぶ基準
  • 目盛りがメートル寸法のもの(大工さん用の尺寸法のものもあるので注意)
  • テープの裏面にも目盛りがあるもの
  • 5m以上測定できるもの
  • 長く伸ばした時にテープが折れにくいもの(基本25mm幅)
  • 腰ベルトにしっかり固定できるもの
  • 先端にマグネットが付いているもの

  

最初に手にするならこんなのがおすすめです↓

タジマの剛圧シリーズで折れにくく、本体の周りがラバーで覆われているので手に持った時に滑りにくく使いやすいです。

また、セフロックというタジマ独自の機構で、使わない時は腰ベルトにしっかり固定でき、使う時には簡単に外せます。

『ホームセンターに売ってる500円のやつとかじゃダメなの?』

と思う方もいると思います。

確かに数百円で5.5mmまで測定できて裏面にも目盛りが付いているものもありますが、建設現場の過酷な使用状況下での耐久性は2,3千円するものと段違いで、テープが戻るときのバネのヘタリが早かったり、テープ自体も折れやすかったりします。

※もちろん、価格の高いコンベックスでも、雨に濡れて放置すれば中のバネが錆びて、戻りが悪くなったりします。

また、コンベックスは本当に頻繁に使用しますので、手に馴染んで、もし壊れてもある程度どこでも手に入るスタンダードな信頼できるメーカーのものを使うのがいい、というのが私の考えです。

 

カッター

2つ目はカッターですが、恐らく日常生活で皆さんが使われるのは、文房具売り場にある小ぶりなカッターだと思いますが、 建設業の職人が主に使用するカッターは、上記の写真のようにそれよりもひと回り大きなL型というものです。

空調屋の仕事では、空調機や各種材料の梱包を開けたりするのにはもちろん、冷媒配管の保温を切ったり、電線の皮をむく時などに使います。

カッターを選ぶ基準
  • 刃はL型であること
  • 刃の出し入れがスムーズにできること
  • オートロック機構であること
  • グリップが滑りにくく握りやすい形状であること

 

最初に手にするのにおすすめ、というかずっとおすすめのカッターがこれです↓

 

これもタジマというメーカーのカッターです。

先端が焼き付け加工されていてマイナスドライバーの機能を持っていたり、内部に替え刃を2枚収納できたりという特徴もあるのですが、全体がエラストマー樹脂で覆われており、滑りにくく普通に使いやすいです。

これのダイヤルロック式のものもありますが、冷媒配管の際はすぐに刃の出し入れができた方がいいので、オートロック式のものをおすすめします。

電工さんなど、太くて硬い電線の皮を剥く時に刃を固定しておかないと危ない場合にはダイヤルロック式を選ぶこともあります。

 

プラス&マイナスドライバー

一般家庭にも一本はあるであろう工具の代表格、プラス&マイナスドライバーです。

はっきり言ってどちらも消耗品だと思っていいいと思います。

プラスドライバーは最初のうちはどんなに食いつきが良くてもいつかなめます(”なめる”とは、使っているうちに先端部が削れてきて、食いつきが悪くなり、ネジを締めようとしてもドライバーがネジを捉えきれず空振りしてしまうことです)。

マイナスドライバーは本来のドライバーとしての用途以外に、何かをこじったり叩いて使ったりと、結構ハードに使うことも多いので、やはり先端が摩耗してきます。

ドライバーを選ぶ基準
  • 定番メーカーでボールグリップのベーシックなものを選ぶ
  • マイナスは貫通ドライバーを選ぶ
  • 余裕があれば絶縁機能付きを選ぶ

おすすめはやはりベッセルの定番のものかなと思います。

 

通電中の端子台に誤ってドライバーを当ててしまうというような事故も起こり得ますので、特に初心者のうちは絶縁機能付きのものがおすすめです。

ペンチ

ペンチ派とニッパー派があったり、両方使ってる方もいたりするのですが、とりあえずペンチが

主に電線を切断したり被覆を剥いたりするときに使います。

他にも何かを掴んで引っ張ったり、回したりと、プライヤーのように使うこともあります。

ペンチを選ぶ基準
  • 手が小さくても握り易い200mmサイズ
  • 直径2.0mmのピアノ線が切れる切断能力
  • 軸部のガタ付きがない
  • プライヤーとしてもそこそこ使える

 

ピアノ線を実際に切るわけではないのですが、ステンレスのワイヤーを切ったりすることもあるので、これぐらいの切断能力は欲しいです。

とにかくペンチはガンガン使っても刃こぼれや軸の歪みが起こりにくいものを選びたいですね。

 

おすすめのペンチはこれ↓

KNIPEXのペンチは形状が握りやすく、プライヤー部も実用的な能力を持っています。

『Made in Germany』で刃の耐久性もあるのにお手頃価格なのもいいです!

 

スパナ

続いてスパナです。

業務用の天井埋込形や天吊形のエアコンを吊る際にナットを閉める時などに使います。

スパナを選ぶ基準
  • 13mmと17mmの2サイズ用のもの
  • 厚みがw3/8 のナットの厚み以下であること(ダブルナットを締めたりする時のため)

形がベーシックで使いやすいTOPのものがおすすめです。

 

モンキーレンチ

単に『モンキー』と呼ぶことが多いです。

エアコンと冷媒配管を接続する『フレアナット』を緩めたり締めたりする時によく使います。

モンキーレンチを選ぶ基準
  • 最大開口サイズが大きい
  • ウォームギア(開口サイズを調節するための螺旋状の部分)の操作性がいい
  • 200mm、250mm、300mmの3サイズを揃える

おすすめなのはロブスターの定番のものです。

エアコンの工事ではこの3種があればほとんど対応できると思います。

全ネジレンチ

全ネジレンチは現場では『全ネジ回し』や、『寸切回し』と呼んだりします。

w3/8(さんぶ)の全ネジボルト(寸切)をつかんで回す道具です。

業務用の空調工事では空調機や配管を吊る際に、このw3/8の全ネジボルトを使用することが多いです。

プライヤーで回すよりも断然楽ですし、力が入るので絶対持ってたほうがいいです。

 

ベッセルのものが定番でおすすめです。

 

水平器

水平器は主に空調機を水平に設置したり、ドレン配管の勾配を見るときに使います。

寸法をとる基準が周りにないときは必須になると思います。

ルームエアコンの背板に乗せて水平に取り付けるために使ったりもします。

この水平器、タジマの中ではかなり安いのですが、変な凹凸がなく、ルームエアコンの背板にもしっかり乗る長さがあるので使いやすくおすすめです!

 

チョークライン

チョークラインに似たものに、『墨壺』というものがありますが、空調屋はこのチョークラインがあれば十分です。

使い方は、まずふたを開けてチョークの粉(色もいろいろある、最近は青がおすすめ)をいれ、中に巻いてある糸に粉をなじませます。

主に天井ボードに開口したい部分の『墨』を出すために使うのですが、チョークラインの先端を引っ張り出すと針が出てきます。

その針を天井ボードの任意の場所に刺して、本体側の糸も任意の印に固定して糸を弾くとラインが引けます。

はっきりと墨をつけたい場合はチョークを多めに、あまり痕を残したくなくて薄めにしたい場合は粉を少なめにするなど調整できます。

おすすめはこのシンワの自動巻きタイプです。

引っ張り出した糸は、手を離せば自動で巻き上げてくれます。

先端の針には十分注意して取り扱いしてください!

 

パイプソー

パイプソーは、いわゆるパイプを切る用のノコギリで、主に塩ビパイプを切るのに使うのですが、普通に木材とかも切れます。

空調工事ではドレン配管用の大きいサイズの塩ビパイプを切るのに使ったり、化粧カバーを加工したりするのに使います。

おすすめは定番のゼットソーです。

切れ味が悪くなったら、グリップはそのままで刃だけ交換できます。

 

引廻ノコ

引廻ノコは単に『引廻(ひきまわし)』と呼んだりします。

天井や壁のボードを開口する時に使うのですが、真っ直ぐだけでなく曲線的に切ることができます。

木材も一応切れます。

マジック・鉛筆(シャープペンシル)

最後は墨出し、墨付けするのに必須のマジックと鉛筆(シャープペンシル)です。

マジックは定番のマッキー他、コンクリートに書くことも多いため先芯の強い素材のものを選びましょう。

あと鉛筆でもいいのですが、芯がすぐすり減ると思うので2.0mmの太さのシャープペンシルがいいと思います。

一応おすすめを貼っておきます。

 

 

まとめ

以上、手工具だけでもなかなかの数です。

手工具もこだわり出せばキリがなく、高価なものも多いですが、今回紹介した定番のもので揃えれば総額で25,000〜35,000円くらいだと思います。

使っていく中で、もっとこういうのがいい!というのが出てきたらこだわり出せばいいと思います。

 

私が使用している手工具の紹介はこちらです↓

 

今回は一般的に建築業界で使われる工具の中から、空調屋にも必須の手工具を紹介しました。

次回は冷凍、空調工事でしか使わないような工具を紹介していきたいと思います!

KSK
しがない空調配管工
地方在住の会社員空調配管工です。
まだまだ未熟者ですが、皆さんのお役に立つ情報をお届けできれば嬉しいです。
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