第一種フロン類充填回収業の始め方

フロンガス

空調屋を始めると、壊れた空調機の入替工事だったり、コンプレッサー(圧縮機)交換の修理だったりを行うのに、冷媒であるフロンガスを回収、充填しなければならないシチュエーションが発生すると思います。

今回はフロンガスの回収や充填を行うのに必要な「第一種フロン類充填回収業者」としての登録の行い方について解説していきます。

目次

どんな時にフロンガスの回収、充填をしなければばらないか

まずはどんな時にフロンガスの回収や充填をしなければならないか、具体的な状況を挙げていきたいと思います。

 

KSK

以下の状況に出くわしたなら読み進めていってもらえるといいと思います。
会社ですでに登録されていて、もう実務に取り組んでいらっしゃる方も独立などした際には必要になるので読んでいただけると嬉しいです!
個人事業主でも申請できますよ!

フロンガスの回収が必要なシチュエーション

  • 空調機の入替工事の際に、既設の空調機が運転できずポンプダウンできないとき
  • ポンプダウンした空調機(室外機)を廃棄するために冷媒(フロンガス)を回収して破壊処理しなければならないとき
  • 室外機のコンプレッサーや熱交換器の交換を行うときなど、配管内から冷媒を取り除かなければならないとき
  • ガス漏れが配管内の圧力が高いときだけおこるので、窒素で気密試験するために配管内に中途半端に残っている冷媒を取り除きたいとき

 

KSK

フロンガスをみだりに排出することは法律で禁じられており、違反すると1年以下の懲役や50万円以下の罰金に課せられることがあるので上記のようなシチュエーションでは冷媒回収を厳守しましょう!

 

フロンガスの充填が必要なシチュエーション

  • 店舗用の空調機を設置する工事をして、配管距離が長いため冷媒を追加充填しなければならないとき
  • ビル用マルチエアコンを設置する工事をしたとき
  • 冷媒を回収してコンプレッサーや熱交換器の交換をして、冷媒を再度充填しなければならないとき

 

KSK

ビル用マルチエアコンの室外機は、基本的に室外機内部の配管分しか冷媒ガスが入っていません。(一部のミニマルチなど例外もあります)

上記のどれかに当てはまったなら「第一種フロン類充填回収業者」として登録しましょう!

 

第一種フロン類充填回収業者の登録の方法

「第一種フロン類充填回収業者」の登録の申請は、各都道府県の管轄部署に対して行います。

都道府県によって細かい点は異なることがあるかもしれませんが、基本的な流れは同じだと思います。

フロンガスの回収や充填を行う都道府県ごとに登録しなければならないので、事業の所在地以外の都道府県でも空調工事をするのであれば、そこでも登録するのがいいでしょう。

 

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ちなみにポンプダウンした室外機を登録のある都道府県に持ち込んでフロンガスの回収を行うのであれば、その室外機があった別の都道府県での登録は不要です、、、ちょっと裏技のようにも思えますが、経済産業省・環境省の「フロン回収・破壊法 類義解答集」のなかで明記されています。

 

まずは「第一種フロン類充填回収業 〇〇県」というように登録を行いたい対象の都道府県の名前を〇〇のところに入れてインターネットで検索してみましょう。

基本的に地方自治体の環境課のような部署が管轄しており、そのホームページで申請書のPDFやWordの書式をダウンロードすることができますので、手引書もあればそれと一緒にダウンロードしましょう。

 

新規登録申請に必要なもの

新規の登録申請に必要なものは基本的に下記のものになります。

  • 申請書一式に記入したもの・・・様式第1(第8条関係)
  • 登録申請者及びその役員が法に定める欠格要件に該当しないものであることを誓約する誓約書に記入したもの
  • 申請者本人を確認できる書類・・・個人:住民票、法人:履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
  • フロン類回収設備の所有を証明する書類・・・購入契約書、納品書、領収書、購入証明書など(※回収設備を借りている場合は借入契約書など)
  • フロン類回収設備の種類及び能力を証明する書類・・・取扱説明書、仕様書、カタログなどの写し
  • 十分な知見を有する者を証明する書類・・・冷媒フロン類取扱技術者の資格証の写しなど
  • 手数料・・・都道府県によって異なるが、5,000円~6,000円程度、都道府県証紙を添付して納付することが多い

 

申請書や誓約書はWordでダウンロードして記入例に従って記入すれば大丈夫でしょう。

申請者本人を確認できる書類は個人であれば住民票を自治体役所などで取得し、法人であれば法務局等で履歴事項全部証明書(登記簿謄本)を取得しましょう。

申請にあたってはフロン類回収設備を使える状態になければならず、回収機は購入すれば最低でも10万円以上はかかりますす。購入した際の納品書や領収書があればその写しが申請に使用できます。

厳しい場合は知り合いの空調屋さんと共同使用したり、借りたりするという手もあります。その場合は共同使用規定書や借用契約書といったものを用意すれば申請できます。

回収機の能力を示す取扱説明書や仕様書、カタログの写しも必要ですが、200g/分以上の回収能力がなければ「フロン類の充填量が50kg以上の第一種特定製品」の回収ができませんので、使用する回収機の能力に気をつけましょう。

おすすめのフロン回収機は、ローデンベルガーの「ローレックプロデジタル」と言う回収機です。

ローレックプロデジタル
大谷商会のHPより

吸込み、吐出し圧力がデジタルで表示され、異常な数値になると自動的に運転を停止し、安定してくると自動で再始動したりする優れものです。全冷媒対応で回収のスピードも早く、280g/分と言う回収量を誇ります。なにげに軽いのも嬉しい。

通販ではあまり取り扱っていないようですが、空調屋御用達のカパスさんで取り扱っているので、気になった方は問い合わせて見てください!

カパスさんの商品紹介ページはこちら

 

KSK

手数料の納付は東京都など現金のみの受付の自治体もあるようですので、申請先のホームページで確認したり、問合せして確実に確認しましょう!
ちなみに県外で申請するのに証紙の購入も郵送になったりするので、現金書留で返送用封筒を用意して、、、など結構手間がかかります、、、!

 

必要書類がそろったら

必要書類を揃えたら、各申請先に持参するか郵送します。

原則持参での受付をうたっている自治体もありますが、コロナ感染症予防の観点から現在は郵送で受け付けているところもあったり、郵送の際は簡易書留など確実性があり、ある程度保証の効く郵送方法を推奨していたりと、これも申請先によって異なると思いますので、よく確認しておきましょう。

 

最後に

登録条件を満たし、申請が無事受理されれば、登録通知書が郵送されてくると思います。

登録されれば「第一種フロン類充填回収業者登録簿」に記載され、晴れてその自治体でのフロンガスの充填・回収が行えるようになります。

実際にフロンガスを回収する際には回収ボンベを用意したりしなければなりませんので、購入するか、借りるようにしましょう。

また、充填・回収の有無にかかわらず、登録をしたらその年度の充填・回収実績を自治体管轄部署に報告する義務も発生するので注意しましょう。

報告を怠ると登録が抹消されることがあります。報告の時期が近付くと封書が送られてくるので忘れることはないと思いますが、気をつけましょう。現在は電子申請が行えますので特に他県の分など活用するといいと思います。

さらに、5年ごとに更新の必要があるので、毎年の充填・回収の報告のタイミングで更新年を気にしておくといいと思います。

以上、今回の記事が皆さんの業務のレベルアップにつながればうれしいです!

KSK
しがない空調配管工
地方在住の会社員空調配管工です。
まだまだ未熟者ですが、皆さんのお役に立つ情報をお届けできれば嬉しいです。
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