2022年現行型4方向天井カセット形室内機の仕様一覧(吊元寸法などまとめ)

4方向天カセ

今回は空調工事で最も多く施工するであろう4方向天井カセット形(天井埋込形)室内機の各メーカーの仕様をまとめていきたいと思います。 

メーカーごとに検索していると結構時間がかかりますが、ここを見てもらえると主要メーカーの吊元寸法などがすぐに分かると思うので施工の際に役立ててもらえると嬉しいです。

※2022年7月 パナソニックの新しい型式の店舗・事務所用で仕様変更がありましたので追記しています。

取り上げるメーカーは、

  • ダイキン工業
  • 三菱電機
  • 三菱重工
  • 東芝キヤリア
  • 日立
  • パナソニック

の6社です。

取り上げる寸法は、

  • 吊り元寸法(吊りピッチ)・・・<A寸法>及び<B寸法>
  • 天井仕上がり面から吊り金具の高さ(ネコの高さ)・・・<C寸法
  • 天井仕上がり面からの室内機天板の高さ(必要懐)・・・<D寸法

の3種です。

<C寸法>と<D寸法>に関してはオートグリルパネル(自動昇降パネル)の際、メーカーによっては寸法が変わりますので、注意が必要です。

加えて「冷媒配管とドレン配管の接続口が右側か左側か」も図に反映させていますので、先行配管や仕込み配管時の参考にして下さい。

ちなみに共通事項として、

  • 4方向天井カセット形で基本的に型式22~160のものが対象
  • 基本的に型式の数字の意味は、標準冷房能力標準暖房能力を表す(メーカーによって異なる)※(例)22=『冷房標準能力か暖房標準能力が2.2kw』、160=『冷房標準能力か暖房標準能力が16.0kw』
  • 本体の縦横の外径は840角(高湿度対応の断熱キットを貼った場合は860角
  • 天井開口寸法は860角~910角880角で施工することが多い)
  • 化粧パネルの外径は950角
  • 標準パネル取付時は基本的にドレンアップの最大揚程が天井仕上がり面から850mm(立上げ位置までの寸法はメーカーごとに異なる
  • 自動昇降パネルや自動清掃ユニットなどを取り付けて室内機本体の高さが上がる場合はドレンアップの最大揚程もその分上がる

です。

 

2022年現在の現行型の仕様になります。情報には細心の注意を払っていますが、ビル用マルチ店舗用(ペア・同時ツインなど)かで、同じ能力でも仕様が違ったりするので、シビアな場合はメーカーサイトでも改めて確認していただけると助かります。

  

目次

ダイキン工業

店舗・事務所用

FHCP40~63

A寸法B寸法
780710
C寸法D寸法
130(185)256(311)

FHCP80〜160

A寸法B寸法
780710
C寸法D寸法
130(185)298(353)

ビル用マルチ

FXYFP28~112

A寸法B寸法
780710
C寸法D寸法
130(185)256(311)

FXYFP140〜160

A寸法B寸法
780710
C寸法D寸法
130(185)298(353)

※()内の数値はオートグリルパネル時の寸法。

  • 室内機を外側から見たときに冷媒配管の接続口が右側ドレン配管の接続口が左側
  • 冷媒配管接続口サイズは店舗用・ビル用マルチともに型式28〜63ガス管12.7mm液管6.35mm。型式71〜160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • オートグリルパネル(自動昇降パネル)時は標準パネル時に比べてC及びD寸法が55mm増える。また、自動清掃ユニットなどが着く場合はさらに寸法が変わってくるので要確認。

 

ドレン配管の接続サイズは、付属のホースを使えばVP25になるが、本体の口はVP20のサイズになっているので断熱ドレンホースを直接接続する際は要注意。

三菱電機

三菱電機室内機図

店舗・事務所用

PL-ERP 40~80及び PL-ZRP40~71

A寸法B寸法
795680
C寸法D寸法
105258

PL-ERP112~160及びPL-ZRP80~160

A寸法B寸法
795680
C寸法D寸法
105298

ビル用マルチ

PLFY-EP22~71

A寸法B寸法
795680
C寸法D寸法
105258

PLFY-80~160

A寸法B寸法
795680
C寸法D寸法
105298

  • 室内機を外側から見たときに冷媒配管の接続口が左側ドレン配管の接続口が右側
  • 冷媒配管接続口サイズは店舗用・ビル用マルチともに型式22〜63ガス管12.7mm液管6.35mm。型式71〜160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • カンタン自動パネル(自動昇降パネル)時もC及びD寸法は変わらないが、お掃除ユニットや高性能フィルター用のユニットを取り付ける場合は寸法が変わってくるので要確認。

 

PL-ERP80とPL-ZRP80ではD寸法が異なるので要注意。三菱電機だけドレン配管の接続口が接着剤を使用しての接続になる。

 

三菱重工

三菱重工室内機図

店舗・事務所用

FDTZP635SA、715SA

A寸法B寸法
778725
C寸法D寸法
140236

FDTZP805SA、1605SA

A寸法B寸法
778725
C寸法D寸法
140298

ビル用マルチ

FDTP285~805

A寸法B寸法
778725
C寸法D寸法
140236

FDTP905~1605

A寸法B寸法
778725
C寸法D寸法
140298

  • 室内機を外側から見たときに冷媒配管の接続口が右側ドレン配管の接続口が左側
  • 冷媒配管接続口サイズは店舗用・ビル用マルチともに型式28〜63ガス管12.7mm液管6.35mm。型式71〜160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • ラクリーナパネル(自動昇降パネル)時もC及びD寸法は変わらないが、お掃除ラクリーナパネルなどの場合は寸法が変わってくるので要確認。
  • 店舗・事務所用のFDTZP635SAは室外機の組み合わせによって40~63まで対応。FDTZP1605SAも室外機の組み合わせによって112~160まで対応。

 

ドレン配管の接続サイズは、付属のホースを使えばVP25になるが、本体の口はVP20のサイズになっているので断熱ドレンホースを直接接続する際は要注意。

東芝キヤリア

東芝キヤリア室内機図

店舗・事務所用

AIU-RP403~713

A寸法B寸法
780690
C寸法D寸法
132256

AIU-RP803~1603

A寸法B寸法
780690
C寸法D寸法
132319

ビル用マルチ

MMU-UP281~901

A寸法B寸法
780690
C寸法D寸法
132256

MMU-UP1121~1601

A寸法B寸法
780690
C寸法D寸法
132319

  • 室内機を外側から見たときに冷媒配管の接続口が右側ドレン配管の接続口が左側
  • 店舗用の冷媒配管接続サイズは、型式40〜63ガス管が12.7mm液管が6.35mm。型式71〜160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • ビル用マルチの冷媒配管接続サイズは、型式28~36ガス管が9.52mm、液管が6.35mm。型式40~56ガス管が12.7mm、液管が6.35mm。型式71~160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • オートグリルパネル(自動昇降パネル)時もC及びD寸法は変わらない

 

ビル用マルチの型式28~36の冷媒配管接続サイズが9.52mmと6.35mmという、他のメーカーでは採用していないサイズのため、注意が必要。

 

日立

日立室内機図

店舗用・ビル用マルチ共通

RCI-GP28~71

A寸法B寸法
760760
C寸法D寸法
100(180)248(328)

RCI-GP80~160

A寸法B寸法
760760
C寸法D寸法
100(180)298(378)

  • 室内機を外側から見たときに冷媒配管の接続口が左側ドレン配管の接続口が右側
  • 冷媒配管接続口サイズは型式28〜63ガス管12.7mm液管6.35mm。型式71〜160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • 昇降グリル付パネル(自動昇降パネル)取付時はC寸法及びD寸法が標準パネル時より80mm増える。また、フィルター自動清掃用パネル取付時はまた寸法が異なるので要確認。

 

店舗用とビル用マルチが共通の室内機になっており、店舗用でも電磁弁が付いている。出荷時は電磁弁が開いているが、一度でも通電してしまうと電磁弁が閉じてしまうので、気密試験や真空引きの際には要注意。(店舗用の室外機でも基本的にサービスポートは液側、ガス側の両方についている)

 

パナソニック

パナソニック室内機図

店舗・事務所用

CS-P40~71U6及び CS-P80U6H

A寸法B寸法
780700
C寸法D寸法
134256

CS-P40〜71U7及びCS-P80U7H※2022年7月追記

A寸法B寸法
780700
C寸法D寸法
114235

CS-P80~160U6

A寸法B寸法
780700
C寸法D寸法
134319

CS-P80〜160U7※2022年7月追記

A寸法B寸法
780700
C寸法D寸法
114290

ビル用マルチ

CS-P28~90U4U

A寸法B寸法
780700
C寸法D寸法
134256

CS-P112~160U4U

A寸法B寸法
780700
C寸法D寸法
134319

  • 室内機を外側から見たときに冷媒配管の接続口が右側ドレン配管の接続口が左側
  • 店舗用の冷媒配管接続サイズは、型式40〜63ガス管が12.7mm液管が6.35mm。型式71〜160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • ビル用マルチの冷媒配管接続サイズは、型式28~56ガス管が12.7mm、液管が6.35mm。型式71~160ガス管が15.88mm、液管が9.52mm
  • オートグリルパネル(自動昇降パネル)時もC及びD寸法は変わらない

 

店舗・事務所用とビル用マルチの型式が非常に似ており、末尾で判断しなければならない。そのうえ、店舗・事務所用でも配線方式が2線式や4線式にすることができるため端子台がビル用マルチと似ているのでどちらなのか判断しづらい。間違った製品が納品されても気づきにくいので要注意。

2022年7月追記

「CS-P○○U7」のシリーズから本体のVP接続径がVP20になりました。今まで断熱ドレンホースの25

で接続していたと思いますが、20になりますので、型式を確認して判断していただけると幸いです。

 

まとめ

以上、主要6メーカーの4方向天井カセット形(通称天カセ)の仕様を紹介してきましたが、要点をおさらいしたいと思います。

室内機を外側から見て

 冷媒配管の接続口が右側、ドレン配管の接続口が左側のメーカー

 →ダイキン、三菱重工、東芝キヤリア、パナソニック

 冷媒配管の接続口が左側、ドレン配管の接続口が右側のメーカー

 →三菱電機、日立

自動昇降パネルでも吊り金具の高さ(C寸法)、天井内の必要寸法(D寸法)が変わらないメーカー

→三菱電機、三菱重工、東芝キヤリア、パナソニック

入れ替え工事でお互いに吊ボルトや配管を流用しやすいメーカー

→ダイキン、東芝キヤリア、パナソニック

※吊元のピッチがほとんど同じで、配管の位置も近い

室内機本体のドレン配管の接続口サイズが、

 VP25のメーカー

 →三菱電機、東芝キヤリア、日立、パナソニック(店舗用で、CS-P○○U6以前のシリーズ

 VP20のメーカー

 →ダイキン、三菱重工、パナソニック(店舗用で、CS-P○○U7からのシリーズ

※付属ホースを使用すればVP25になる。

店舗用とビル用マルチで同じ室内機を使用するメーカー

→日立

※電磁弁が内蔵されているので気密試験、真空引き時は注意。室内機に通電してしまったら液側、ガス側両方に窒素をはったり、両方から真空引きする。

 

この辺りを押さえておけば実際の施工の際に役立つはずです。

あとは東芝キヤリアのビル用マルチで、通常ルームエアコンでしか採用されない9.52mmと6.35mmの組み合わせの冷媒配管サイズがあることは他ではない仕様です。

また、パナソニックの店舗・事務所用とビル用マルチは型式が非常によく似ていることにも一応気を付けていたほうがいいです。実際マルチの室内機が必要な現場で間違って店舗・事務所用が納品されていたことがあって、他のメーカーであれば端子台で気付けたと思うのですが、パナソニックは2線式にできるので端子台も似ており、まったく気付きませんでした。

室外機との組み合わせでメーカーが間違えるほうがおかしいんですけどね^^;

 

以上、参考になればうれしいです!

KSK
しがない空調配管工
地方在住の会社員空調配管工です。
まだまだ未熟者ですが、皆さんのお役に立つ情報をお届けできれば嬉しいです。
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